憧れの地、東北  新潟県村上市から青森市へ
  (2009.4.30〜5.5)
        60歳(もうすぐ61歳)


 5月2日(土) 三日目 五所川原市〜青森市   
4時起床、517分スタート。肌寒い。今日のコースは今回のハイライトと思っている。楽しみだ。 いくらも走らないうちにコンビニで朝食を済ませた。JRの線路と作業小屋が白んだ空の下に見える。小屋じゃない駅だ!(十川) 踏切板の鉄板は穴だらけ、駅舎はとんがり屋根でかわいいが、申し訳程度のもの。地元の人には悪いけど、よそ者の自分にはメルヘンでいいなと感じる。やはり乗りたかった。 
津軽鉄道、十川駅、あんな本こんな本


 津軽鉄道 十川駅

 
太宰治、斜陽館、あんな本こんな本金木川、あんな本こんな本
 左 斜陽館

 右 金木川


 
斜陽館に寄った。この辺りでは随分立派な建物だ。金木は地吹雪でも有名だった。確か、地吹雪体験ツアーなんてあったような気がする。地元の人はきっと笑うよなあ。デジカメのバッテリーが切れそうだ。 充電器まで持って走っているのに充電をするのを忘れていた。公衆トイレのコンセントを拝借して充電しようかとも思ったが、窃盗罪になるし止めとこう。 十三湖は十三湖大橋を渡る予定だ。ふと気がつくと、湖が左に見える。 右に見えないということは道を間違えたということ。 
岩木川、あんな本こんな本

 岩木川、奥は十三湖方面

 
こだわってUターンし 、大橋へ向かう。十三湖には幾筋もの川が流れ込んでいるが、一番大きいのは岩木川だ。広い農地の間を走っていると、見通しが良いのに方向が分からなくなる。湖の畔に開店準備中の店を見つけた。軽い食事をして、バッテリーの充電をお願いする。是非シジミ汁を食べようと楽しみにしてきたのに、身が小さくて形くずれしている。電気を拝借しているので文句を言いたくはないが、有名な湖なのにこんなシジミ汁を売ってはダメだな。そこへがっしりした青年が話しかけてきた。訛りで初めはよく分からなかったが、竜泊ラインを通って竜飛へ行くのかと尋ねている。一度だけこちらから走ったが、あまりの激坂に、その後は三厩まで輪行して竜飛からこちらへ向けて走っているという。こちらから走ると小泊から竜飛まで27q。かなりの坂道で、最後の7qは壁ですよと言う。聞いても今更どうしようもないので、「7qを歩けば3時間と考えておきます」 と笑いながら答えた。弘前大学に通う青年はだいぶ爺さんを気遣ってくれている様子だった。 小泊から坂を登ると海上の橋が美しい。ライオンベイブリッジという立派な名前が付いていた。 
権現崎、あんな本こんな本ライオンベイブリッジ、竜泊ライン、あんな本こんな本

左 小泊
から坂を登ると海上の橋が美しい。ライオンベイブリッジという立派な名前が付いていた。






 
津軽の像記念館、太宰治、あんな本こんな本竜飛崎遠望、あんな本こんな本、

左 津軽の像記念館

右 竜飛崎遠望


 
「津軽の像記念館」 が分からず、青森美人に聞いて行ってみた。なぜか入館料を払う気にはならず、証拠写真だけ撮影。後戻りしてコンビニへ行きオムライス弁当で食事。こんなに寄り道をしていてのんきに弁当を食べていて青森まで行けるのかな、大丈夫かな? 
津軽国定公園、青岩、あんな本こんな本、津軽国定公園、七ツ滝、あんな本こんな本、

 青岩案内板

 七ツ滝


 
青岩や七ツ滝を見ながら竜泊ラインへさしかかった。見上げる彼方に展望駐車場が見える。車が傾いて駐車しているのが分かる。 
竜泊ライン




 
これを登るのか・・・。なるほど見ているだけで息切れがしてくる。最後の7qは壁って言っていたけれど、 イメージが湧かない。それに風が強い。次第に傾斜が強くなってくる。車の音を追って上を見ると、頭上に近い所をジグザグに走っている。海の方へハンドルを切ったとたん、猛烈な台風並みの風がが押し寄せてくる。しかもヘアピンの所は確かに壁状態。続く坂も15%以上あるように思う。笑ってしまうほどムーリ無理。降りて押す。シューズのつま先、ほぼ上面に近いところが、路面に擦れて傷が付く。海から山へ方向転換してから乗る。追い風になるがそれでも小刻みにしか進めない。
振り返ると走ってきた海岸沿いの道が見える。 
竜泊ライン、あんな本こんな本



 
ガサゴソと音がする。まさか熊ではないだろうなとそちらの方を見ていると、山菜採りの男性が出てきた。彼にあとどれくらい上りが続くのか尋ねると、「まだまだ。向こうに見える山のまだ向こう」 という非情でガッカリするご託宣。右手上に眺望台が見えた。竜飛崎が見える。眺望台の更に上の展望台に自転車を持ち上げたかったが、坂の途中で左膝を痛めてしまい断念した。きつかったが良い坂だった。近くなら何度でも上りたいと思った。過去の経験が、あきらめずに走らせて(歩かせて?)くれたようなものだった。 
竜泊ライン、眺望台、竜飛崎、あんな本こんな本


サドル後方に見える岬の上の小さな白い建物は道の駅三厩?

 
坂を下って道の駅三厩へ向かう。なるほどこちらの方が緩やかに感じる。しかしそれでも、カーブまでの100bほどの間に時速60qを超えてしまう。前から風が吹けば、急ブレーキがかかってがくんと落ちる。さすがに太宰が津軽に書いたとおりの竜飛だった。三厩では風にハンドルを翻弄されながら道の駅に到着。自転車に跨って立っているのも一苦労。自転車をつなぎ止めている時も、まるで酔っぱらい状態。十三湖でおばさんが 「竜飛へいくのなら風に気をつけて」 と注意してくれたのを改めて納得。 
道の駅、三厩、あんな本こんな本青函トンネル記念館、あんな本こんな本青函トンネル記念館、あんな本こんな本







 
     ↑建物は右上                             青函トンネル記念館・海面下140b 
建物に入ると、中には坑道体験のケーブルカーがあった。ここまで来たらこれも乗らないと遠足にならない。所用時間47分。この更に下には竜飛海底駅があるらしい。出てきて居合わせた配送の男性に今日の風の事を聞くと、「普通です」 とにべもない。やはり妙な感心をするしかない。左膝がかなり痛い。あの激坂を上るのに頻繁に左足を外したり固定したりを繰り返したのが原因だ。 
竜飛崎、あんな本こんな本竜飛崎、あんな本こんな本

左は本州の行き止まり 竜飛崎

右は三厩、青森市へ

 
今日のゴールまでまだ70qほど残っている。竜飛の先端へは行かずに三厩方面へ向かう。 国道階段も見たかったが気持ちに余裕が無い。膝は少々気がかりな状態だ。漁師の食堂という看板を上げた店に入る。何を食べようかと思案する、金額が書いてない。赤魚の定食を注文。赤魚と焼きホタテ、味噌汁とご飯などがついて千円 (位だった) 大満足。竜飛の字は竜飛と龍飛の二通りあるがどちらが正しいのか尋ねると、どちらも使われているという。今日の風は普通で、昨日と一昨日は凄かったという。地元の人が凄かったという位だから、自分には想像が付かない。龍飛には風力発電機が何基かあったけれど、今は解体してしまったらしい。理由は、回しても良い日が殆ど無いということ。つまり回りすぎて危険だったらしい。
袰月海岸はきれいと自慢をする女将さん。私がよく知らないのをなじるかのように 「そこそこ有名な海岸なんですよ」 と言う。痛む膝をごまかしながら今別町から少し走ると、次第に海岸から離れて山の中へ入ってきた。おかしい。道の駅今別の手前でバイクの男性に聞くと、この道はR
14で山中を蟹田へ抜ける道のようだ。今別まで戻って海岸を走ると長い。このまま走ると少しは短いが小国峠越えになる。膝と相談をして距離の短い峠越えを選択した。
蟹田は太宰の小説津軽に出てくる町だ。膝が悪くなければ観瀾山にも登ってみたいが、今回はあきらめよう。 写真を撮る気力も残っていない。明日の行程をどうするか決めなければいけない。左足に力を入れると膝が悲鳴を上げる。蓬田の 「たままつ海の情報館」 で止まって思案する。この膝で明日青森市から大間までの
200qを走るのはむりだ。そんなことをすると大怪我になる。仕方ない、あきらめて青森市をゴールにしよう。市内の明日の宿泊を確保した。その後大間に電話をし、理由を話してキャンセルした。残念。電話をしたあと何気なくサドルを持つとぐらついている。下から覗いてみるとサドルを固定しているネジが外れそうになっていた。もし外れて落ちていればそれで遠足は終了するところだった。
薄暗くなった青森ベイブリッジを渡り、警察本署で道を尋ねてホテルに到着。
1710分、スーパーホテルの入り口が分からずうろうろ。扉が小さいのに中が広いエレベーターだった。 
青森ベイブリッジ、あんな本こんな本、


ベイブリッジ 

美しい橋です  

撮影は二日後の 5月4日 18:50 

 
  走行158.5q、平均時速19.3q   ホテルは、入り口が分かりにくかった事以外は満足でした。   続く
 

前の頁,村上市から青森市まで二日目    次の頁,村上市から青森市まで 四日目       サイクリング の思い出、目次へ     トップ頁

                                                            村上市から青森市まで一日目

                              村上市から青森市まで二日目

                              村上市から青森市まで五日目

                              村上市から青森市まで六日目