《私の本棚 第百四十》     平成20年11月

         「徒然草」 第二百三十六段              兼 好  法 師    

 徒然草は文学作品であることに違いはないのですが、でも素直にそう思って読めないという感じを受ける人は少数派 なのでしょうか。序段には、暇だから書きつけたと言っているとおり、中にはほんのメモ書きのような段もあります。
 この二百三十六段は亀岡市出雲の出雲社を題材にしています。落語の題材にしてもいいような話です。聖海上人 (伝未詳) が 「ちょっとしたご馳走もしますから、出雲神社へお参りに行きましょう」 と大勢の人を誘って行きます。神社に着くと狛犬が後ろ向きに座っています。それを見た上人は、「皆さんこの素晴らしいことに気づきませんか」 と言います。近くにいた神官に由緒を尋ねると、「いたずら小僧がしたことです」 とのこと。涙ぐんだ上人は恥をかいたという話です。その後の食事はきっと和んだと思います。
大豊神社、狛ねずみ、あんな本こんな本





 大豊神社

 狛ネズミ


 
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