《私の本棚 第百三十八》        平成20年9

     帰園田居    園田の居に帰る         陶 潜

種豆南山下

草盛豆苗稀

晨興理荒穢

帯月荷鋤帰

道狭草木長

夕露霑我衣

衣霑不足惜

但使願無違
 
豆を種う 南山の下

草盛んにして豆苗稀なり

晨に興きて荒穢を理め

月を帯びて鋤を荷いて帰る

道狭くして草木長じ

夕露我が衣を霑す

衣の霑うは惜しむに足らず

但だ願いをして違うことなからしめよ
 
 

私は南山のふもとに豆を植えたが、
雑草ばかりはびこって豆苗はなかなか育たない。
早朝から起き出して荒れた畑の雑草とりをし、
夜月の光を浴びて、鋤を担いで帰る毎日。
帰り道は草や木が伸び放題。
夜露が私の着物をぬらす。
ぬらすのはいやがるほどのことではない。
ただ、豆がしっかり実ってほしというわが願いが裏切られないよう祈るばかり。

出石、土蔵、扉、あんな本こんな本






 出石
 
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