《私の本棚第百三十七》    平成20年8月   

   
「湖北巡礼」    上   

 昭和39年発表の短編。若狭生まれの作者が、母を見舞った帰りに湖北を散策したときの作です。熊川宿辺りから、今津、海津、塩津、更には賤ヶ岳や山梨子 (やまなし) という集落を訪れています。
氏は 「今津の町は若狭の町と似ていた」 と書いていますが、戦国時代には重要な港であり、平安時代も北陸地方へ抜ける街道筋だったので当然でしょう。ただ、三津は時代から取り残されて、発表時と今を比べてもそれ程変わっていないように思います。
 梅津の宝幢院 (ほうどういん) という寺には若狭の武将武田元明という人の墓があり、秀吉はその武将の腹を切らせて美貌の奥方を略奪したということです。
山梨子という集落は賤ヶ岳の合戦で敗れた侍が隠れ住んだという言い伝えがあり、村人は、竹生島までの深い湖底には大勢の甲冑を身に纏った侍が沈んでいると言います。冬になると、風の音に混じって湖底から仏の泣き声が聞こえるそうです。

 因みに直ぐ隣の福井県出身者に梨子木 (なしき) という名字の人がいます。何か関係があるのでしょうか?
 
伊吹山、イブキトラノオ、あんな本こんな本




 伊吹山 

 イブキトラノオ

 
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