《私の本棚 第百二十九》   平成19年12月

       「秋 江」    (北宋) 道 潜  

赤葉楓林落酒

白沙洲渚夕陽

数声柔櫓蒼茫外

何処江村人夜
 
赤葉楓林 酒旗落ち  (せきようふうりん しゅきおち)

白沙洲渚 夕陽微かなり  
(はくさしゅうしょ せきようかすかなり)

数声の柔櫓 蒼茫の外  (すうせいのじゅうろ そうぼうのそと)

何れの処の江村か人夜帰る(いずれのところのこうそんか ひとよるかえる) 
    七言絶句      石川忠久氏 訳と解説
  紅葉した楓の林に酒屋の旗も取りこまれ

白い砂の続く中洲に、夕日は消えかかっている。

しなやかにこぐ櫓の音が、青くかすむ夕もやの向こうからまばらに響いてくる。

いったいどこの江村だろか、夜になって帰る人がいる。    (江村・・・川沿いの村)
 
秋の長江で黄昏から夜にかけての風景を詠んだもの。起句・承句は黄昏、楓の赤、砂の白を詠み込み
転句・結句は夜の風景で青を詠み込んでいる。

【道潜…1034年生まれ、宋の僧侶】 
宇治川、天瀬ダム、鳳凰湖





 宇治川

 天ケ瀬ダム

 鳳凰湖

 
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